倒産法の学会に出席しました

 平成30年11月10日、倒産法の学会(全国倒産処理弁護士ネットワーク(通称「全倒ネット」)第17回全国大会)に出席しました。
 
 東京大学大学院法学政治学研究科の沖野眞已による基調講演「保証人による弁済と求償」がなされ、弁済による代位の法的性質、特に民法の視点から整理されたお話しを伺いました。
 保証人がその保証債務を履行した際、弁済による代位で取得した原債権と、求償権との関係をあらためて勉強することができました(司法試験の勉強したとき以来でしょうか…)。
 
 その後、「保証について~近時の最高裁判例を中心とした実務・理論の検討~」が行われました。
 具体的事例をあげ、最先端の議論がなされ、とても勉強に、とても良い頭の体操になりました。
 
 特に、最高裁平成29年9月12日第三小法廷決定に基づく議論は、とても興味深いものでした。
 同決定は、破産法104条1項・2項に規定する、いわゆる「開始時現存額主義」と、債権の一部弁済をした物上保証人と、超過配当額との関係(破産債権者が破産手続開始決定後に、物上保証人から一部弁済を受けた場合で、破産債権者が受領した配当金額が同債権者の残債権額を超過した場合の関係)について判断した決定で、その要旨としては「破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合において,破産手続開始の時における債権の額として確定したものを基礎として計算された配当額が実体法上の残債権額を超過するときは,その超過する部分は当該債権について配当すべきである。」と判断したものです(破産管財人の立場からすれば、円滑・迅速に処理できる方向だと思います)。
 そして、同決定は、わざわざ括弧書きで「そのような配当を受けた債権者が,債権の一部を弁済した求償権者(物上保証人)に対し,不当利得として超過部分相当額を返還すべき義務を負うことは別論である。」と示しています。
 
 パネルディスカッションにおいて、この「不当利得」の範囲、すなわち「法律上の原因」(民法703条)をどの範囲まで認めるかの議論がなされ、非常に興味深いものでした。
「法律上の原因」を一般破産債権部分に限るのか、劣後的破産債権(開始決定後の損害金等)にも認めるのかは、直接破産手続には関係ないものの、様々な視点(一部弁済をしたのが物上保証人ではなく連帯保証人であったときとの均衡等)で議論され、ぼーっとする間は全くなく、議論を拝聴していました
 
 全倒ネットの全国大会はここ近年毎年参加していますが、今年もとても勉強になりました。
 
 来年は2019年11月30日(土)、名古屋で行われるとのことで、私も参加予定です。