過失割合とは?その2

今回は、自動車同士の交通事故における過失割合の具体的な算定方法について、例を挙げてご説明したいと思います(事例は簡略化し、物損のみとしています)。
 
【事例】
X車は、青信号の交差点を通行中、赤信号を無視し交差点に進入してきたY車と衝突した。
お互い怪我はしなかったものの、双方に修理代等の物損が生じた。
X車の運転手Xは、自己の過失はないと思いつつも、Y車の運転手Yの主張を一部くみ取り、X10:Y90の過失割合で示談をした。
 
Xの損害は次のとおりである。
修理代等の物損   50万円
 
一方、Yの損害は次のとおりである。
修理代等の物損   400万円
 
 
この場合、X0:Y100の過失割合の場合には
・X→Yに、全額の50万円請求ができます。
 
しかし、仮にX10:Y90とした場合、
・X→Yに100分90である45万円の請求しか出来ず、さらに
・Y→Xに、Yの損害の100分の10である40万円の請求が発生します。
 
この場合、お互い話し合いにより相殺することになると、実際Xが受領する金額は計算上
・45万円から40万円を差し引いた5万円
ということになります。
(もっとも、話し合いにより相殺せず、Xが自分の任意保険を利用すれば(相手の請求40万円については、自分の任意保険会社から支払ってもらう)、等級は上がってしまいますが、Xは45万円を現実に受領することができます)。
以上のとおり、0:100の場合には50万円受領できたにもかかわらず、10:90という結論になると、わずか5万円しか受領できないことになることもありえます。
 
このように、過失割合は、自分の請求が減るだけではなく、相手の損害の負担も増えてきてしまうため、実際に受領する金額が大きく異なることもあります。
 
過失割合は、このように極めて利害関係に大きな影響を与えますので、専門家たる弁護士に相談されることをお勧め致します。
 
当事務所においても、過失割合を含めた交通事故のご相談を承っております。
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山梨県甲府市の法律事務所(弁護士)