免責が許可されない「免責不許可事由」とは?

 前回のブログにおいて、「免責」の概括的なご説明を申し上げました。

 この「免責」ですが、許可されない場合もあります。免責不許可事由といい、破産法252条1項の各号に規定されております。

 

 その中でも特に問題となることの多い条項が、破産法252条1項4号です。

 この条文は「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。」と規定されております。

 

 では、「著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」とは、どういうことでしょうか。この点、旧破産法の時代であり古いものですが、東京高等裁判所昭和60年11月28日決定で、次のような判断がなされております。

 「・・・競艇等の射倖行為はそのひとつの遠因に過ぎないのであるから、これをもって射倖行為によって過大な債務を負担したものということはできず、破産法三六六条の九第一号、三七五条一号(現行破産法の252条1項4号にあたるもの)所定の免責不許可事由には該当しないものと解するのが相当である。」

 すなわち、浪費ギャンブルが破産の主な原因になっている場合には、免責不許可事由にあたりますが、そうでない場合(裁判例の言葉を使うと「遠因」である場合)には、免責不許可事由にはあたらないと考えられます。

 もっとも、主な原因か「遠因」かは、破産者の収入・資産状況や債務総額等総合的に判断します。よって、法律相談により個別具体的な事情を伺わなければ、なんとも申し上げられないところです。

 

 なお、免責不許可事由にあたりうる場合も「裁量免責」ということで結果免責を受けられる場合もあります。また、浪費やギャンブルが負債の主な原因となっていても法的手段である「個人再生手続」を利用し、債務整理することが可能な場合もあります。

 これらの点については、項をあらためて執筆したいと思います。