札幌市で行われました学会「法人破産における申立代理人の役割と立場」に出席しました

 平成28年10月1日(土)、札幌市で行われました全国倒産弁護士ネットワーク全国大会に出席しました。

 その大会のシンポジウムにおいて、破産法の権威である伊藤眞教授の基調講演「破産者代理人(破産手続開始申立代理人)の地位と責任」及び、パネルディスカッション「法人破産における申立代理人の役割と立場」に出席しました。

 

 伊藤眞教授の基調講演では、申立代理人が不適切な行為を行ってしまった場合、いかなる法的構成で、誰に対し、責任を負うのかを、丁寧な口調、説明でご講演されました。実務を行っていると、なかなか丁寧に法的構成を考える機会は少ないところ、破産管財人の地位にまで言及され、法的理論構成に久々に頭を使うことができました。伊藤眞教授が採られる破産管財人の地位「管理機構人格説」からすれば、申立代理人が、債務者の意に沿って「不適切」な行為を行ってしまった場合(ないしは、債務者の不適切な行為を申立代理人が知りながら止めなかった場合)、破産管財人が、破産者の代理人である(あった)申立代理人に対し、なぜ不法行為責任を追及できるのかという点については、「なるほど」と思う連続でした(管理機構人格説からすれば、破産手続開始決定前に、債務者が申立代理人に対し、不法行為に基づく損害賠償請求権を有しているはずであるが、依頼者である債務者の意に沿って「不適切」な行為を申立代理人が行った場合、債務者は申立代理人に対し、不法行為責任を追及できるのか?等の問題)。

 

 また、その後に行われましたパネルディスカッションは、伊藤眞教授の基調講演が極めて分かりやすかった(法的視点としても明確)であったため、パネラーの皆様が伊藤眞教授の明確な法的視点に引きずられてしまい、結論の妥当性にいかに結びつけるかを試行錯誤しながら進めていたのが印象的でした。

 

 ただ、法的構成はいずれにせよ、破産者(債務者)の申立代理人は破産手続において極めて重要な役割・責任が課せられますので、適切に処理し、破産管財人にスムーズに引き継がなければということをあらためて考えさせされました。