過失割合とは?その1

交通事故で、「過失割合」という話を聞いたことがあると思います。
「自分が止まっていたところに相手が突っ込んできたんだから、自分の過失は無い。」とか、「どちらも動いていたのだから100:0は無いはずだ」とか、皆様も耳にしたことがあると思います。
 
今回は、この「過失割合」について、2回に亘り、ご説明したいと思います。
なお、この「過失」の話は「過失割合」と「過失相殺率」の話に分かれますが、今回は四輪車同士の事故に当てはまる「過失割合」の話をしたいと思います(四輪車同士の事故の場合、それぞれの過失相殺率=過失割合が通説であるため)。
 
過失割合はどうやって決めるのでしょうか。
過失割合は、法的評価であり、最終的には裁判官が決めます。 
もっとも、その裁判官も参考にする文献があります。
「別冊判例タイムズ38号 民事交通事故訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」(以下、「別冊判タ38号」といいます。)という文献です。これは、東京地裁の民事交通訴訟研究会が編集しており、交通事故の法律実務では欠かせない文献です。
 
別冊判タ38号には、様々な事例の過失割合が載っています。
たとえば、
① 「交差点における直進車同士の出会い頭事故」のうち
② 「信号機が設置されている交差点での事故」のうち
③ 「青信号と赤信号との事故」
については、事例98番で解説があります。
 
前記事例の場合、基本的な過失割合は、赤信号で進入した車100:青信号で進入した車0ということになり、青信号で進入した車に相殺される過失はありません。したがって、動いている同士の自動車の事故の場合でも、100:0と判断される事例はあります。
なお「基本的な過失割合」と表現したのは、修正要素があるからです。
たとえば、この事故の際、赤信号で進入していた車が明らかに交差点に先入していた場合、青信号で進入した車に10の過失割合がプラスされます。すなわち、この場合の過失割合は、赤信号で進入した車90:青信号で進入した車10ということになります。
 
このように、事故の事案にあわせて、過失割合を探っていきます。
 
もっとも、過失割合の判断の前提となるのが「事実認定」です。本件のような事故の場合、双方ともに「私の信号が青だった」と争いになることもあります。
その場合、損害賠償請求者が「自分が青だった」という証明が出来てから、100:0という過失割合の話になります。
 
実際の事故の場合、この「事実認定」と「過失相殺」ともに争いになることがあります。
ドライブレコーダーがあると、この争いに対し、かなり役に立ちます。
 
このように、法的評価である過失割合の話をするにしても、事実認定が絡んだり、修正要素が絡んだり、複雑になることもございます。
法の専門家である弁護士とご相談され、目処をたてることをお勧め致します。